肩甲下神経(上・下)とは|肩甲下筋や大円筋を支配する末梢神経
肩甲下神経(subscapular nerves)は、主に肩甲下筋、そして一部では大円筋を支配する末梢神経です。
この運動神経は、中枢から筋への出力を伝える役割があります。皮膚感覚には関与しません。
主な運動機能は、肩関節内旋、肩関節安定化、肩甲上腕リズムの補助です。
肩甲下神経の解剖と分布領域
肩甲下神経は腕神経叢後神経束から分岐し、肩甲骨前面に沿って肩甲下筋へ走行します。
一般には上肩甲下神経と下肩甲下神経で整理され、下肩甲下神経は大円筋にも分布します。
なお、中肩甲下神経として記載されるものは胸背神経と同義に扱われることがあり、肩甲下領域の枝を理解する際にはその整理も重要です。
肩甲下神経に関連する症状|肩関節前面の動作時痛・可動域制限・鈍痛・筋の脱力感
この神経の分布に関連して、次のような症状が生じることがあります。
・筋の脱力感
・筋力低下
・筋萎縮弱化
・動作時痛
・可動域制限
・鈍痛
・違和感
肩関節の安定性低下や内旋機能の低下として現れることが多く、症状は表在的なしびれではなく、肩前面から腋窩周囲の鈍痛や違和感として知覚されやすい特徴があります。
本神経は皮膚感覚には関与しないため、しびれや明確な感覚異常は生じにくい特徴があります。
ただし、症状は単一の神経だけで説明できるとは限りません。
結論|肩甲下神経と症状を理解する末梢神経の視点
肩甲下筋や大円筋の機能異常は、筋や関節だけでなく神経出力の変化として捉えることが重要です。
上肩甲下神経と下肩甲下神経を基本に、胸背神経との解剖学的な関係も含めて評価することで、より一貫した臨床理解につながります。
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