筋紡錘は交感神経支配されていて、ストレス下で身体動作に影響を与える。
筋紡錘には交感神経による支配があると言われています。
その存在によって、ストレス下での動作に影響を与えているのでは?という研究があります。
◆研究
この結果は、紡錘内線維の直接的な交感神経支配の解剖学的証拠を提供し、交感神経支配が筋紡錘へ分布する血管に限定されないことを示している。
筋紡錘の直接的な交感神経支配に関する知識は、慢性的な筋痛症候群などのストレス条件下での運動と固有受容の機能障害への理解が深まる可能性がある。
これにより、自律神経系が筋紡錘に起因する機能、すなわち運動反射機能、協調性、固有受容感覚に影響を与えることが可能になる。
筋紡錘求心性神経に対する交感神経支配の働きは、身体的・感情的ストレス状況下で運動行動を調整するメカニズムの1つである可能性が示唆されている。
交感神経支配の重要な意味は、交感神経流出の増加が筋長のフィードバック制御を低下させることである。
低フィードバックゲインは、闘争または逃走反応など、一般的には交感神経の活性化に関する運動状態で役立つ場合がある。この場合、動きの精密さと微調整を犠牲にすることで、速く走ることまたは闘争動作の安定性と確実性を得られる可能性がある。
…強い興奮とストレス条件下で、精密さと連続的な固有受容感覚フィードバックを必要とする運動課題が行われた場合、交感神経流出が亢進することで、正確な運動能力の出力に影響を与える可能性がある。
Sympathetic innervation of human muscle spindles
Dina Radovanovic, Kevin Peikert, Mona Lindstrom and Fatima Pedrosa Domello
◆まとめ
前にコラムで書いた、「遅発性筋肉痛は筋紡錘の神経絞扼によるもの」というのがありましたが、そこにこの交感神経支配も影響を与えていると言われています。
自律神経の影響は筋紡錘内の血管だけではなく、筋紡錘自体にまで及んでいるというのはとても興味深いですね。