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テーピングの効果はプラセボによるもの

テーピングの効果は
プラセボによるもの

テープを貼ることによって、関節の安定性を促したり、痛みを減らしたり、動きを変化させたりということが、アスリートや痛みがある方に行われています。

しかし、テーピングによる様々な効果(痛み、筋力、可動域、パフォーマンス)の理論は、いまいちはっきりしていないのが現状です。

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テーピングに対して、いくつか斬新な論文があるのでお伝えします。

■テープを貼る方向やシワは関係ない

テーピングをするときにわざとシワを作ることで、皮膚感覚を変化させて、動きの改善させたりすると言われています。

しかし、テーピング位の伸張力でシワを作ることに意味はあるのでしょうか?

また、テープを貼る方向で違いも出ると言われていますが、本当でしょうか?

このような論文があります。

「慢性の非特異的腰痛のある参加者148人。

ある研究では、キネシオテーピングの方向の影響を調査したが、テープの方向は重要ではないことが示された。

シワ(たたみ込み)の結果は、対照群よりも優れていなかったため、両方の群で見られた改善は、テープの張力によるものではない。

キネシオテープを使用してシワ(たたみ込み)を生成する利点はないと結論付けることができる。

Kinesio Taping to generate skin convolutions is not better than sham taping for people with chronic non-specific low back pain: a randomised trial

Patrı´cia do Carmo Silva Parreira, Lucı´ola da Cunha Menezes Costa , Ricardo Takahashi,Luiz Carlos Hespanhol Junior , Maurı´cio Antoˆnio da Luz Junior , Tatiane Mota Silva a,Leonardo Oliveira Pena Costa

■テープの色による効果の変化はない。

とあるテーピングには様々な色が着色されています。

そして、色によって効果が違うと言われていますが本当でしょうか?

①テープあり

②伸張したベージュのテープ

③伸張していないベージュ色のテープ

④伸張した赤いテープ

⑤伸張した青い

それぞれに対してパフォーマンスや筋力の違いを調べた研究があります。

残念ながら、色の違いも伸張させたかどうかも、効果に優位差はありませんでした。そしてそもそも、テーピングなしと比べても効果に違いはありませんでした。

「キネシオロジーテープは、健康な成人の下肢のパフォーマンスや筋力に有益な影響を与えなかった。

テープの色は、運動能力、大腿四頭筋の筋力、または神経筋の機能に影響しなかった。

さらに、この集団グループで以前に公開されたデータをサポートしており、テープなし、またはテンションなしでテープを貼った場合と比較して、キネシオロジーテーピングが効果的でないことを示している。

ランダマイズ化クロスオーバー比較試験では、プラセボ(張力対非張力)によるものであろうとなかろうと、どのような条件下でもキネシオテープの効果は見られなかった。」

The influence of kinesiology tape colour on performance and corticomotor activity in healthy adults: a randomised crossover controlled trial
Rocco Cavaleri , Tribikram Thapa, Paula R. Beckenkamp and Lucy . Chipchase

■テーピングの痛みに対する効果は推奨されるほどではない。

テーピングで痛みを減らすという主張もよくされていますが、本当でしょうか?

下記の論文では、「マーケティングキャンペーンによる効果」と断言されています、、。

「495人の参加者を含む12のランダム化試験のシステマティックレビュー。

キネシオテーピングは、偽(プラセボ)テーピング、治療なし、運動、徒手療法、従来の理学療法と比較された。

試験は通常、グループ間の結果に有意な差を示さなかった、またはキネシオテーピングを支持する些細な効果(すなわち、臨床的に価値がないと見なされるほど小さい)を示した。

キネシオテーピング使用の増加は、臨床に関する結果を伴う高品質な科学的なエビデンスではなく、大規模なマーケティングキャンペーン(2012年ロンドンオリンピックで使用されたキャンペーンなど)によるものと思われる。

したがって、現在のエビデンスでは、筋骨格疾患に対するキネシオテーピングの使用は支持されていない。

Current evidence does not support the use of Kinesio Taping in clinical practice: a systematic review

Patrícia do Carmo Silva Parreiraa, Lucíola da Cunha Menezes Costaa, Luiz Carlos Hespanhol Juniora, Alexandre Dias Lopesa, Leonardo Oliveira Pena Costa

■テーピングによる筋力やパフォーマンスの向上はプラセボによるもの。

テーピングで筋力を増やすという理論もありますが、本当でしょうか?

下記論文では、

①促進すると言われているテーピング

②偽物のテープ

③テーピングなし

を比べました。

結果、違いがなく、「プラセボ」」効果によるパフォーマンスアップという結論でした。

「これらの発見は、以前に報告されたキネシオロジーテープを使用した筋肉の促通効果が、プラセボ効果に起因する可能性があることを示唆している。

…結果は患者の期待が急速に神経の変化につながることを示した(Benedetti et al.,2005)。同様の結果がアスリートの間で報告されており、プラセボ効果を使用してスポーツのパフォーマンスを向上させている。」

Kinesiology tape does not facilitate muscle performance: A deceptive controlled trial
K.Y. Poon , S.M. Li , M.G. Roper , M.K.M. Wong , O. Wong , R.T.H. Cheung

■まとめ

これらのことから、テーピングについて

▶シワをつくる意味はない。

▶テープの色は関係ない。

▶鎮痛に関するテープの使用は支持できない。

▶筋力やパフォーマンス向上はプラセボ。

ということが分かります。

■考察

ただプラセボはどんな徒手療法、運動療法、整形外科手術、薬などにも関係してくるので、プラセボ=ダメという単純な話ではありません。

さらにテーピングを信じていれば効果を感じる人がいるのも事実ですし、何かしらの痛みを与えるわけでもないので、皮膚が荒れたりしなければテーピングの使用や効果の否定はしません。

クライアント様と対話するときに、テーピングへの信頼度合い、好きか嫌いかなど心理的な部分を考慮し、それに応じてテーピングを利用することは良いと思います。

しかし、エビデンスやサイエンスに基づかない理論を伝えるべきではありません。

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