変形性関節症にグルコサミンはプラセボよりも効果がない。
CMでもお馴染みのグルコサミン。
膝の痛みに効果的とかそうではないとかいろいろな意見がありますが、論文ではどうなっているのでしょうか?
早速見てみましょう!
◆研究
グルコサミンは、短期(3ヵ月)および長期(24ヵ月)の追跡調査において、痛みや機能に対してプラセボよりも優れた効果は認められなかった。
経口グルコサミンは長い間、変形性膝関節症や変形性股関節症の治療に推奨されてきた。
しかし、国際変形性関節症学会(OARSI)と国立医療技術評価機構(NICE)による最近のガイドラインでは、変形性関節症の症状管理や疾患修飾のための経口グルコサミンの有効性の支持が不足している事が強調されている。
7つの高品質で大規模な(試験あたり200人以上)ランダム化比較試験から得られたネットワーク・メタアナリシスでは、経口グルコサミンは、変形性関節症の疼痛軽減や関節腔狭窄の軽減においてプラセボよりも優れていないと結論づけられた。
※ネットワークメタアナリシス:複数の試験を基に複数の薬剤の比較の 結果を統合する方法論。
したがって、現在、股関節または膝関節OAの一般的な治療に、グルコサミンを使うことを支持するエビデンスはなく、疼痛強度の基準値、BMI、性別、構造的異常、炎症の有無に応じて、OAの臨床的に関連するサブグループにグルコサミンを使用することを支持するエビデンスもない。
Subgroup analyses of the effectiveness of oral glucosamine for knee and hip osteoarthritis: a systematic review and individual patient data meta-analysis from the OA trail bank
Jos Runhaar, Rianne M Rozendaal, Marienke van Middelkoop, Hans J W Bijlsma, Michael Doherty, Krysia S Dziedzic, L Stefan Lohmander,Timothy McAlindon, Weiya Zhang, Sita Bierma Zeinstra
◆まとめ
このことから膝関節や股関節痛や機能に対して、グルコサミンは効果がないということがわかります。
もちろんプラセボ効果は出る場合はあるので、効果がある方もいるでしょう。