線維筋痛症へ運動は推奨される。

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線維筋痛症へ
運動は推奨される。

線維筋痛症は痛みが酷い方が多いので、そもそも動くことが辛いし、きついという方が多いので無理しないということが前提です。

しかし、実際身体からの侵害受容信号が出ていない可能性もあります。

目次

◆研究1

「線維筋痛症のための運動

中程度の有酸素トレーニングを12週間行うと、全体的な幸福度と身体機能が向上する可能性がある。

中程度の有酸素運動は、おそらく痛みや圧痛点にほとんどまたはまったく違いをもたらさないであろう。

12週間の筋力トレーニングは、痛み、圧痛、抑うつを大幅に軽減し、全体的な健康状態を大幅に改善する可能性がありますが、身体機能に差をもたらすことはない。」

Exercise for treating fibromyalgia syndrome
Cochrane Systematic Review
Angela J BuschKaren A.R. BarberTom J OverendPaul Michael J PelosoCandice L Schachter

 

◆研究2

「メタアナリシスに基づいて、ガイドラインの中で治療に基づく「強い」推奨は運動のみであった。

初期管理は、患者教育を行い、非薬物療法にフォーカスを当てるべきである。反応がない場合には、さらなる治療法(メタアナリシスに基づいて「弱い」と評価されたすべての治療法)を個人の特定のニーズに合わせて行うべきであり、心理療法(気分障害や助けにならない対処方法の場合)、薬物療法(重度の疼痛や睡眠障害の場合)、および/または複合的なリハビリテーションプログラム(重度の障害の場合)を含む可能性がある。

我々は、特に運動が疼痛、身体機能、幸福感に及ぼす効果、利用可能であること、比較的低コストであること、安全性の懸念がないことを考慮して、運動の使用を「強く推奨する」とすることで一致した。

入手可能なエビデンスでは、有酸素運動と筋力強化運動のどちらの効果があるかを区別することはできなかった。

「鍼治療の有効的な要素についてはほとんど理解されておらず、実際の鍼治療と偽の鍼治療の使用を支持するエビデンスの一貫性は低かった。

カイロプラクティックについては、安全性への懸念から「強く反対」の評価を与えた。」

「重度の障害を持つ患者には、多様なリハビリテーション(「弱い人のための」リハビリテーション)プログラムを検討すべきである。個々の治療法と比較して、多様なリハビリテーションでは短期的な転帰が改善された。

現在、我々は非薬物療法を第一選択療法とし、効果がない場合は患者のニーズに応じて個別化した治療を行うことを推奨しているが、その中には薬物療法も含まれる。」

EULAR revised recommendations for the management of fibromyalgia

GJ Macfarlane, C Kronisch, L E Dean, F Atzeni, W Häuser, E Fluß, E Choy, E Kosek, K Amris, J Branco, F Dincer, P Leino-Arjas, K Longley, G M McCarthy, S Makri, S Perrot, P Sarzi-Puttini, A Taylor, G T Jones

 

◆まとめ

これらのことから、エビデンスからみると線維筋痛症に対して運動は有効であると考えられる。

痛みに対しては中程度の筋力トレーニングが有効という説もありつつ、有酸素運動との違いが明白ではないという考え方もある。

また初期において最初から薬物療法を行うことは推奨しておらず、患者の個別性に合わせた上で初めて薬について考えるべきである。

とされています。

◆考察

薬以外の対処法として、コラムで食事についていくつか取り上げました(食事と炎症、腸内細菌と痛み、化学調味料と人工甘味料について)。

それに合わせて動くことができるのであれば、それぞれの体調に合わせつつも少しでの楽しく続けられる運動を行うことは大切だと考えられます。

またその他の代替療法としてカイロは危険性が高いので推奨できないとコクランシステマチックレビューで言われています。

また、鍼も効果があったりするのですがその要因は解明されておらず、偽の鍼治療でも効果が出ることからプラセボによるものと考えられます。それであればわざわざ鍼を挿して、侵害刺激を与える必要はないのです。

まずは、散歩や買い物に出かけてみること、可能であれば昔やっていたスポーツを少しだけでも試してみること、家で痛みが悪化しない程度に筋トレやストレッチなどをしてみることをお勧めします。

痛みは個人的な体験と言われています。ということは個人的な感覚を重視して、頑張りすぎたり、痛いのに無理する必要はないということになります。

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