Column

カップリングモーションパターンが一貫しているというエビデンスはない。

カップリングモーションパターンが
一貫しているという
エビデンスはない。

カップリングモーションという言葉を聞いたことはありますか?

1900年代初頭にLovett氏が提案したもので、ニュートラルポジションまたは屈曲ポジションから側屈に動いた腰椎分節が、側屈方向とは反対に回旋するというもの。

頚椎や腰椎の動きのパターンがあり、それに則って評価したり、アプローチしたりという概念です。

しかし、最新のサイエンスからみて妥当性はあるのでしょうか?

無意識的になんとなく使ってはいないでしょうか?

◆腰椎の研究

この論文では、腰椎のカップリングモーションのパターンは一貫していないという結果です。

批判的文献レビュー(合計24件の記事)

腰椎側屈・回旋間のカップリングモーションパターンが一貫しているというエビデンスを見つけることができなかった。

これは、被験者の年齢や性別、矢状面での位置、カップリングモーションの検出方法などの条件を考慮した場合でも同様であった。

腰痛患者の評価や治療にカップリングモーション原理の使用を支持する証拠がないため、これらの発見はカップリングモーションに関する理論を徒手療法の実践に適用することに影響を及ぼす。

我々の分析では、どちらか一方の側屈や回旋が開始されたときに、一貫したカップリングパターンを見つけることはできなかった。

カップリングされた可動域における1°または2°の障害が、臨床的に妥当かどうかは疑問がある。

したがって、患者のカップリングモーションパターンの決定は、おそらく現実的な臨床検査の手段ではない。

したがって、臨床医は、腰椎疾患を有する患者の評価や介入において、カップリングモーションパターン概念を使わないことを検討すべきである。

むしろ、腰痛患者に対する理学療法介入に関する臨床上の決定は、より検証された検査手順に焦点を当てるべきである。

同様に、腰部モビライゼーション/マニピュレーションのためのポジショニングなどの介入要素は、推定される関節カップリングパターンに基づくべきではない。

Does the Evidence Support the Existence of Lumbar Spine Coupled Motion?
A Critical Review of the Literature

◆頸椎の研究

この論文では、頸椎のカップリングモーションのパターンも一貫しておらず、動きを始める姿勢の影響を受けるという結果です。

30人の無症候性の被験者

頸椎カップリングモーションのステレオタイプパターンの概念は、これらの結果からは指示されない。

動きが開始される姿勢は、頸椎の3次元運動学に大きな影響を与えているようである。

今回の結果から明らかなように、大多数の人が一般的に説明されているパターンと一致するカップリングモーションのパターンを持っている一方で、すべての人に一貫した頸椎のカップリングモーションのステレオタイプのパターンは存在しないように思われる。

この研究の結果は、回旋・側屈時の頸椎カップリングモーションのステレオタイプパターンの概念に挑戦した物である。

ニュートラルな頸椎の姿勢では、被験者の約30%が、一般的に説明されている同側のカップリングパターンとは異なるカップリングモーションパターンを示した。

回旋と側屈運動を前突または後退姿勢のエンドレンジで行った場合、主な可動域とカップリングモーション範囲の変化、ならびにカップリングモーションの支配的パターンのいくらかの変化も観察された。

Influence of cranio-cervical posture on three-dimensional motion of the cervical spine
Stephen J. Edmondston , Svein-Erik Henne, Winston Loh, Eirik Østvold

◆まとめ

これらのことから臨床において、頸椎であろうと腰椎であろうとカップリングモーションパターンを考慮して評価する必要はないということがわかります。

関節ではなく神経系にフォーカスを向けたアプローチが必要な時代になってきています。

それはサイエンスは進歩し続けるものだからです。

徒手理論の世界はなぜか昔のままというものが多く、理論の更新をしません。それは科学や証拠に基づいているのではなく、「主観」や古い「証拠」に基づいているからです。

◉ お気軽にリツイート&シェアお願いします ▼

関連コラム