Column

タバコと痛みについて・慢性疼痛や線維筋痛症の方は禁煙を推奨します。

タバコと痛みについて

慢性疼痛や線維筋痛症の方は

禁煙を推奨します。

慢性疼痛でお悩みの方で、

・喫煙をしている方

・副流煙を日々受けている方

改めてタバコの害について考え直した方が良いというエビデンスの数々をご覧ください。

まずはこちら。

◆研究1

6,092人の女性に対しての研究

「その結果、日常的に喫煙していた女性は、喫煙していなかった女性よりも慢性疼痛を多く報告していることが示された。

これらの結果は、禁煙が慢性疼痛症候群の重要な補助治療になる可能性があることを示唆しています。

ニコチンは痛みの処理伝導路に重要な影響を与え、痛みの受容体を感作させることにより、痛みの閾値を低下させる可能性がある。

また、タバコの使用は、睡眠の質の低下、慢性筋骨格系疼痛、神経障害性疼痛と関連していると考えられている。

喫煙が慢性疼痛の強力な予測因子であることがわかった。 」

Association of Smoking and Chronic Pain Syndromes in Kentucky Women

Michael D. Mitchell, David M. Mannino, Douglas T. Steinke, Richard J. Kryscio, Heather M. Bush, and Leslie J. Crofford

下記論文で出てくるHPA軸というのは、ストレスを受けたときに視床下部-下垂体-副腎が働いて対応しようとする働きのことです。

◆研究2

「線維筋痛症のリスクは、喫煙歴、1-2回の手術歴、3回以上の手術歴、症状をコントロールする薬の使用(精神安定剤、睡眠薬、下剤、鎮痛剤、興奮剤)と関連していた。

HPA軸の活性低下は、疲労、筋肉痛、睡眠障害、気分の落ち込みなどの症状と関連していることが多い。したがって、HPA軸の変化は線維筋痛症の主な病態生理の一つであると考えられる。

我々の発見は、過去の喫煙が後の線維筋痛症の発症に強い影響を与えることを示唆している。

喫煙者と線維筋痛症を持つ患者の両方が、脳の痛み調節領域の内因性オピオイド活動に影響を与えるHPA軸の変化を持っていることが判明している。」

The Association between Incident Self-reported Fibromyalgia and Non-psychiatric Factors: 25-years Follow-up of the Adventist Health Study

Chan-Jin Choi, MD, PhD, Raymond Knutsen, MD, MPH, Keiji Oda, MSPH, Gary E Fraser, MD, PhD, and Synnove Fonnebo Knutsen, MD, PhD

◆研究3

「最近提案された相互モデルは、痛み、喫煙、うつ病がポジティブフィードバックループのようにで相互作用し、より大きな痛みとタバコ依存の維持につながる可能性があることを示唆している。

ニコチンは、内因性オピオイド系、セロトニン系、ノルアドレナリン系、ドーパミン系の神経伝達物質系を含む、線維筋痛症に関連する多数の中枢神経系プロセスに影響を与えることが示されている。

…線維筋痛症+喫煙者は、線維筋痛症+非喫煙者よりも激しい痛みと機能障害を報告した。

喫煙の健康への影響と喫煙が、痛みに影響を与える可能性について知られていることを考えると、慢性的な痛みのあるすべての人は禁煙するよう奨励されるべきである。」

Associations Between Pain, Current Tobacco Smoking, Depression, and Fibromyalgia Status Among Treatment-Seeking Chronic Pain Patients

Jenna Goesling, PhD , Chad M. Brummett, MD , Taha S. Meraj, BS , Stephanie E. Moser,
PhD , Afton L. Hassett, PsyD , and Joseph W. Ditre, PhD

◆研究4

9,282人に対して調べた論文

「…生涯にわたる慢性頸部痛または慢性腰痛の既往歴のある人は、現在喫煙者であり、生涯にわたるニコチン依存症および現在のニコチン依存症と診断される可能性が有意に高かった。

現在医学的に解明されていない慢性疼痛は、喫煙状態および寿命、現在のニコチン依存に有意に関連していた。」

Chronic pain and cigarette smoking and nicotine dependence among a representative sample of adults

Michael J. Zvolensky, Katherine McMillan, Adam Gonzalez, & Gordon J. G. Asmundson

◆研究5

「ニコチンは短期的な鎮痛効果を有し、痛みに対する感受性および特定の痛みを伴う刺激に対する意識を低下させる。

同様に、ニコチン遮断後の喫煙は、痛みに対する耐性を増加させるが、ニコチン離脱は痛みに対する感受性の増加と関連している。

ニコチンの潜在的で短期的な疼痛抑制効果にもかかわらず、タバコの煙への慢性的な暴露は、時間の経過とともに痛み受容体を感作し、痛みに対する感受性を増加させる可能性がある。

逆説的であるが、喫煙者は非喫煙者に比べて有意に多くの鎮痛薬を使用し、高用量を必要とし、非喫煙者よりも慢性疼痛に対する長期的なオピオイド療法を受けている可能性が高い。」

Smoking Status and Opioid Related Problems and Concerns among Men and Women on Chronic Opioid Therapy

Kelly C. Young-Wolff, Ph.D., M.P.H., Daniella Klebaner, M.P.H., Constance Weisner, Dr. Ph., M.S.W. Michael von Korff, Sc.D, and Cynthia I. Campbell, Ph.D., M.P.H

◆結論

これらのことから、慢性疼痛で悩んでいる方は「タバコをやめるべきですし、同居している方もタバコをやめるべき」ということが分かります。

自分の力だけでやめられない場合は、禁煙外来などの専門家に足を運んでみてはいかがでしょうか?

また、過去の喫煙歴(副流煙も含まれるとは思います)もいまの慢性疼痛に関与します。

そして喫煙者は、より鎮痛剤などの量が多くなってしまう傾向もあるようです。

そしてタバコは、中枢神経に影響を与え、HPA軸というストレス反応を行う働きを変えてしまいます。

論文に書いてある言葉です。

「慢性的な痛みのあるすべての人は禁煙するよう奨励されるべきである。」

クライアント様は喫煙をする同居人とご本人へ、そしてセラピストは、喫煙をしている患者様やクライアント様にお伝えください。

◉ お気軽にリツイート&シェアお願いします ▼

関連コラム