末梢神経障害とは何か|ニューロパチーと神経障害性疼痛

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はじめに|末梢神経障害(ニューロパチー)とは

末梢神経は、脳や脊髄と身体の各組織をつなぐ神経です。

皮膚、筋肉、関節などからの感覚情報は末梢神経を通って中枢神経へ伝達されます。

また中枢神経からの運動指令も末梢神経を通って筋肉へ伝達されます。

この末梢神経の構造や機能に障害が生じた状態を、末梢神経障害(peripheral neuropathy:ニューロパチー)と呼びます。

臨床では、痛み、しびれ、感覚異常などの症状として現れることがあります。

末梢神経障害の主な症状

末梢神経障害では、次のような症状がみられることがあります。

  • 痛み
  • しびれ
  • 感覚異常
  • 感覚低下
  • 筋力低下

症状は、関与する神経の種類や分布によって異なります。

例えば

・正中神経

・尺骨神経

・坐骨神経

などの神経が関与する場合、それぞれの神経分布に関連した症状が現れることがあります。

▶︎ 末梢神経とは何か

ニューロパチーと神経障害性疼痛

末梢神経障害では、神経障害性疼痛(neuropathic pain)が生じることがあります。

神経障害性疼痛は、体性感覚系の神経の損傷や疾患によって生じる痛みと定義されています。

例えば

・手根管症候群

・帯状疱疹後神経痛

・糖尿病性神経障害

などで神経障害性疼痛がみられることがあります。

このような痛みは、侵害刺激による痛みとは異なる神経メカニズムによって生じると考えられています。

▶︎ 侵害受容とは何か

末梢神経障害の原因

末梢神経障害にはさまざまな原因があります。

代表的なものとして

  • 神経の圧迫や絞扼
  • 外傷
  • 代謝疾患
  • 炎症
  • 毒性物質

などが知られています。

例えば

  • 手根管症候群
  • 糖尿病性神経障害
  • 外傷性神経損傷

などは末梢神経障害の代表的な例です。

症状の分布と神経解剖

末梢神経障害では、症状が神経の分布に関連して現れることがあります。

例えば皮神経の障害では、特定の皮膚領域に感覚異常が生じることがあります。

混合神経の障害では、感覚症状と運動症状が同時にみられることもあります。

しかし臨床では、症状が必ずしも神経の解剖学的分布と一致するとは限りません。

筋肉、関節、内臓などからの刺激によって、別の部位に痛みを感じることがあります(関連痛)。

さらに慢性疼痛では、中枢感作(central sensitization)と呼ばれる神経回路の反応変化によって、痛みの分布や感じ方が変化する可能性があります。

そのため症状の分布は、必ずしも末梢神経の解剖学的分布と一致しない場合があります。

▶︎ 皮神経とは何か

▶︎ 神経根とは何か

結論|末梢神経障害と症状の理解

末梢神経障害(ニューロパチー)は、末梢神経の構造や機能に障害が生じた状態を指します。

痛み、しびれ、感覚異常、筋力低下などの症状が現れることがあります。

症状は神経分布に関連して現れることがありますが、関連痛や中枢感作など神経系の情報処理によって分布が一致しない場合もあります。

末梢神経の構造と神経系の情報処理の両方を理解することが、症状を整理するうえで重要です。

 


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