ピラティスインストラクターが開業すると起こること
ピラティススタジオやパーソナルトレーニング施設を開業すると、多くのクライアントが来ます。
しかし実際の現場では、運動能力向上やパフォーマンス改善を目的とした人だけではありません。腰痛、肩こり、首の痛み、身体の違和感など、何らかの症状を抱えて来るクライアントが非常に多くなります。
実際にスタジオを開業すると、「腰が痛いけどピラティスを始めたい」「肩こりを改善したい」といった相談が頻繁に起こります。つまり現場では、運動指導だけではなく痛みの問題にも向き合う必要が出てきます。
開業後に感じる不安
ピラティスインストラクターやトレーナーが開業すると、多くの場合次のような疑問に直面します。
まず、痛みがある人に運動をさせてもよいのかという問題です。腰痛や肩こりを抱えたクライアントに運動指導を行うことに不安を感じるインストラクターも少なくありません。
次に、運動だけで症状が改善するのかという疑問です。運動は身体機能の改善に重要ですが、痛みが強い状態では運動が難しいケースもあります。
さらに、症状が変わらなかった場合の対応に悩むこともあります。クライアントが「肩こりを改善したい」「腰痛を何とかしたい」という目的で来ている場合、症状が変化しないと対応に困ることがあります。
このような経験から、多くのトレーナーが運動だけでは対応できないケースがあることに気づきます。
なぜピラティススタジオに整体が増えているのか
近年、ピラティススタジオやパーソナルトレーニング施設で整体を併用するケースが増えています。
これは単なる流行ではなく、現場のニーズから自然に生まれた流れです。実際の施設では、身体の反応を整えた後に運動を行うというアプローチが多く見られます。
つまり、徒手療法によって身体の状態を整え、その後に運動療法を行うという考え方です。
痛みがあると運動が難しい理由
痛みがある状態では、身体は防御反応を起こします。身体がこわばり、筋緊張が高まり、動くことを避ける反応が起こることがあります。
このような状態では、運動を行うこと自体が難しくなることがあります。そのため臨床では、まず身体の反応を変化させる必要がある場合があります。
徒手療法が併用される理由
そのため多くのトレーナーは、徒手療法の後に運動療法を行うという順序を使うようになります。
徒手療法によって身体の反応が変化すると、筋緊張や身体の動きが変化し、運動が行いやすくなることがあります。この状態で運動を行うことで、運動療法がよりスムーズに進む場合があります。
このように徒手療法は、運動療法を行いやすい状態を作る役割を持つことがあります。
神経科学から見る身体の反応
身体の反応は神経系の情報処理として理解されています。身体からの感覚情報は末梢神経から脊髄を通り、脳へと伝えられます。
この神経系の処理によって、筋緊張や痛み、身体の動きなどが調整されています。
末梢神経の状態という視点
身体の症状を理解する際には、末梢神経の状態という視点も重要になります。末梢神経は皮膚や筋肉、関節などに分布し、身体の感覚情報を中枢神経へ伝えています。
この神経の状態が変化すると、痛みや違和感、動きにくさなどの症状として現れる可能性があります。
強い刺激の施術の問題
整体では強い刺激を加える施術が行われることがあります。しかし強い刺激に依存する施術には注意が必要です。
強い刺激はクライアントへの負担が大きくなる可能性があり、施術者自身の身体にも負担がかかることがあります。実際に徒手療法では、手指や手首、肘、肩などを痛める施術者も少なくありません。
そのため長く施術を続けるためには、身体への負担が少ない方法を考えることが重要になります。
DNMというアプローチ
DNM(Dermo Neuro Modulating)は、神経科学とペインサイエンスを基盤とした徒手療法の理論です。
末梢神経の状態が変化すると、痛みや違和感、筋緊張などの反応が変化することがあります。その結果、身体が動きやすくなり、運動療法が行いやすくなる場合があります。
このように徒手療法と運動療法は対立するものではなく、相互に補完する関係として理解することができます。
結論
ピラティススタジオやトレーニング施設に整体が併用されるケースが増えている背景には、痛みを抱えたクライアントの増加や運動が難しいケースの存在があります。
そのため多くの現場では、徒手療法と運動療法を組み合わせたアプローチが行われています。身体の症状を理解するためには、末梢神経の状態と神経系の情報処理という視点も重要になります。
こうした理由から、運動指導に徒手療法を組み合わせるトレーナーが増えています。
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