はじめに|ピラティスのフレックスとポイント
ピラティスでは、足首を フレックス(背屈) と ポイント(底屈) に切り替える動きが頻繁に用いられます。
一般的には、ハムストリングやふくらはぎのストレッチや筋収縮などの目的で説明されることがあります。
しかし身体の構造を詳しく見ると、これらの動きは筋肉だけでなく 末梢神経の状態 にも影響しています。
特に下肢では、足関節の動きが 坐骨神経を含む神経系の伸長と弛緩 を変化させることが知られています。
坐骨神経と下肢の神経ネットワーク
坐骨神経は人体で最も太い末梢神経です。
この神経は
- 腰神経叢から
- 骨盤
- 大腿後面
- 膝窩
- 下腿
- 足部
へと連続して走行しています。
途中で
- 脛骨神経
- 総腓骨神経
などに分かれ、足部まで広く分布します。
このように坐骨神経は下肢全体に連続しているため、股関節だけでなく 膝や足関節の動きも神経系の状態に影響します。
フレックスで起こる神経の伸長
足関節をフレックス(背屈)すると、下腿後面の神経が伸長します。
背屈
↓
脛骨神経の伸長
↓
坐骨神経の張力増加
という変化が起こります。
これは神経検査として用いられる
- ストレートレッグレイズ
- スランプテスト
でも確認される現象です。
これらの検査では、足関節背屈によって神経系の張力が変化し、症状が変わることがあります。
つまりフレックスの動きは、下肢の 末梢神経を伸長させる動き と考えることができます。
ポイントで起こる神経の弛緩
一方で足関節ポイント(底屈)では、神経系の状態が反対方向に変化します。
底屈
↓
脛骨神経の張力減少
↓
坐骨神経の弛緩
という変化が起こります。
つまり同じ姿勢でも
- フレックス
- ポイント
を切り替えることで、末梢神経は
- 伸長
- 弛緩
を繰り返します。
このような変化は、筋肉だけではなく神経系にも起こっています。
神経という視点から見るヨガとピラティス
ヨガやピラティスの多くの動きは、筋肉のストレッチとして説明されることが多くあります。
しかし実際には
- 筋肉
- 関節
- 皮膚
- 末梢神経
など、複数の組織が同時に影響を受けています。
特に末梢神経は、身体の動きに合わせて
- 伸長
- 弛緩
- スライド
を繰り返しています。
この視点から見ると、ヨガやピラティスの動きは 神経系への入力を変化させる運動 として理解することもできます。
ヨガ・ピラティスを神経科学から理解する
近年、身体運動を神経科学から理解する研究が増えています。
痛みや身体感覚は、筋肉や骨格だけでなく、末梢神経から中枢神経へ伝わる情報によって調整されています。
そのためヨガやピラティスの動きを理解する際にも、筋肉や柔軟性だけではなく 神経系の視点 が重要になります。
ヨガやピラティスの動きを、末梢神経と神経科学の観点から詳しく解説したものとして、次の書籍があります。
この書籍では
- 身体感覚
- 末梢神経
- 痛み
- 神経系の情報処理
などの視点から、身体運動の理解を深めています。
結論
ピラティスのフレックスとポイントは、足関節の動きを通して下肢の状態を変化させる動きです。
この変化は筋肉だけではなく、坐骨神経を含む 末梢神経の伸長と弛緩 にも影響します。
身体運動を理解するためには、筋肉や関節だけではなく、末梢神経を含む神経系全体の視点を持つことが重要です。
ヨガやピラティスの動きも、この神経科学の視点から見ることで、より深く理解することができます。

