嗅神経とは何か
嗅神経は、第1脳神経です。
鼻の奥にある嗅上皮で受け取った匂いの情報を、頭蓋内へ運ぶ感覚神経です。
嗅上皮と嗅神経の関係
嗅上皮は、鼻腔の上部にある嗅覚の受容部位です。
ここには嗅細胞、支持細胞、基底細胞などがあり、嗅細胞は匂いの刺激を受け取り、その情報を中枢へ送る一次感覚ニューロンです。
支持細胞は嗅上皮の環境を保ち、基底細胞は新しい細胞へ分化するもとになります。
嗅細胞の軸索が集まって、嗅神経の線維束をつくります。
匂い刺激はどのように電気信号へ変わるのか
空気中の揮発性化学物質は、嗅上皮の粘液に溶け込んだあと、嗅細胞の線毛にある嗅覚受容体に結合します。
この受容体は、外から入ってきた化学物質の刺激を、細胞の中の反応へつなげる役割を持っています。
受容体が活性化されると、細胞の中で情報伝達が始まり、その変化によってイオンチャネルが開きます。
すると嗅細胞の膜電位が変化し、一定の閾値に達すると活動電位が発生します。
つまり、匂いという化学刺激が、神経を流れる電気信号へ変換されます。
篩板と嗅神経の走行
嗅神経の線維は、篩骨の篩板という薄い骨を通って頭蓋内へ入ります。
嗅神経はこの孔を通って嗅球へ向かいます。
嗅球と嗅索とは何か
嗅球は、嗅神経の線維が最初に入る中枢側の部位です。
ここで嗅細胞から来た情報は最初のシナプスを形成し、ある程度整理されたのちに次の経路へ送られます。
嗅球から出る線維束は嗅索と呼ばれ、その先で嗅覚に関わる大脳皮質へ情報が送られます。
嗅覚は匂いの識別だけではない
嗅覚は、単に匂いを区別するだけの感覚ではありません。
嗅球からの情報は、匂いの識別に関わる皮質だけでなく、扁桃体や嗅内野を含む領域にも送られます。
そのため匂いは、記憶や情動と結びつきやすい感覚として理解できます。
結論
嗅神経は、第1脳神経として匂いの情報を伝える感覚神経です。
嗅上皮の嗅細胞で受け取られた刺激は電気信号へ変換され、嗅神経、嗅球、嗅索を通って中枢へ送られます。
脳神経を整理するときは、嗅神経を単なる鼻の神経としてではなく、匂い、記憶、情動にも関わる感覚系の入口として理解することが重要です。
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