DNM メイン講習皮神経編を受けたご感想
「DNMをもっと早く知りたかった
それが率直な感想です。
セミナーでは最新のサイエンスに基づく徒手療法がじっくり学べます。
まず資料のボリュームに驚きます。
しかもその内容も論文などから吟味して引用されているので質も高く、知らないことだらけです。
柔整の専門学校で教わることでもないし、今まで行ったセミナーでも聞いたことがない内容でした。
セミナーのタイトルにあるように皮神経(末梢神経)に対するアプローチなのですが、中枢神経の脳や脊髄も関わってきます。
神経のミクロな構造から、疼痛に関する神経系のマクロな働きについてかなり深いところまで学べます。
そもそも痛みはなぜ感じるのか?
侵害受容刺激は、脳へのインプット
痛みは、脳からのアウトプット
つまり中枢神経である脳が変化しないと痛みは改善しないということです。
当たり前のことですが徒手で触れることができるのは皮膚だけです。
私自身今までは筋肉や筋膜、関節、経絡をメインで意識して触ってきました。
それが悪いことではないのですが、触れるということは相手に対してどのような変化をもたらすのか。
受講してからはどのように触れれば中枢神経のアウトプットが変化するのかを考えるようになりました。
他にもニューロマトリックス理論や生物心理社会的モデル(バイオサイコソーシャルモデル)といったペインサイエンスを学ぶ上で必要な内容も含まれています。
大まかに言うと身体だけ診ていては改善しない痛みがあり、改善のためには心理的問題や社会的問題にも統合的にアプローチする必要があるということです。
とはいえ痛みがある状態というのは心理的にもいい状態ではないですし、家庭や仕事での活動に支障をきたすので抑制させたほうがいいのは言うまでもないです。
ただ患者さんの身体を診るだけでなく、心理状況や生活環境を考慮しながら治療にあたったほうがいいことが理論的にわかりました。
皮神経編Ⅰ、Ⅱ合わせて8日間あるのですが、毎回初めて聞く内容が多くて自分の中で消化するのに時間を必要とします。
しかし理解が進むうちに、患者さんと接する上で意識することがかなり増えた実感があります。
DNMのアプローチ方法はとてもシンプルでした。皮膚に対するアプローチなのですが、痛みを全く感じさせないソフトな刺激なのでどんな人でも楽に受けることができます。
施術する方も力を必要としないので体格差があっても問題ないです。正直こんなに弱い刺激でも効果がでるのかと思うくらいです。
少人数なので講師の岩吉さんとの距離も近く、実技中にわからないことがあればすぐその場で質問ができます。疑問をすぐに解消できる環境はありがたかったです。
僕自身普段接骨院で働いているのですが実際臨床で使ってみて感じたことは、慣れてくると応用がきいてくる印象です。
セミナーでは教わっていないですが、痛みで動かせない捻挫や突き指、圧痛が強い打撲などにDNMのスキンストレッチを試みました。
するとしっかり効果が出て、痛み刺激を与えないので余計な緊張もさせずに施術できました。
外傷初期の疼痛コントロールができることで代償運動を減らすことができるような気がしています。
そのあたりは今後経過を追っていこうと思います。
DNMは基礎(理論)がしっかりしているので自分次第でいくらでも応用がきいてくると感じています。
DNMの理論と他の徒手療法を組合わせることで、自身をよりレベルアップさせることができています。
一番の収穫はアカデミックに考える癖がついたことだと思います。
『解剖学的にこの場所に対してアプローチすると、生理学的にはこんな変化が起きていて運動学的にはこんな変化が起きている。』
というように、患者さんに対して自分がやったことを細かいところまで説明できるように意識するようになりました。
人体の不思議は日進月歩で解明されてきています。
つまり昨日までの常識が今日の非常識になっている可能性があるということです。
エビデンスももちろん大事だとは思いますが、それが果たして理にかなっているのか吟味する必要があります。
そんなとき判断の基礎となるのが学問です。
その点DNMのアプローチはサイエンスを基にしているので納得しながら受講することができました。
今後は最新の研究や論文にも触れていき、自分自身をアップデートしていこうと思います。」
6年目柔道整復師