ストレスで腰痛が起こる理由|足し算ではなく引き算で考える

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ストレスで腰痛が起こる理由|足し算ではなく引き算で考える

ストレスで腰痛が強くなる背景には、脳の警戒反応があります。

ストレスが続くと、中枢神経は脅威状態として認識します。

その反応は交感神経活動、HPA軸、炎症調節、睡眠、食事、活動量に及び、腰痛が続く環境をつくります。

脳の警戒は交感神経活動を高め、腰部の反応を変える

結果として交感神経活動は高まり、筋緊張、血流、呼吸、発汗は変化します。

腰痛は、この全身的な警戒反応の一部として現れます。

腰部は姿勢保持と体幹活動に関わるため、この影響を受けやすい部位です。

▶︎ ストレス反応とHPA軸・SAM系

▶︎ 交感神経と副交感神経は二択ではない

HPA軸とコルチゾールの変化は炎症調節を崩す

ストレス反応では、交感神経系だけでなくHPA軸も働きます。

この過程ではコルチゾール分泌が関わり、代謝、免疫、炎症調節に影響します。

短期的なストレス反応は適応反応ですが、それが長引くと炎症を抑える働きは崩れ、回復を支える条件も失われます。

この変化は、痛みに関わる神経系の感受性を押し上げます。

▶︎ 自律神経とは何か

▶︎ 安全と回復の神経科学

炎症調節の乱れは末梢神経をさらに過敏にする

ストレスや炎症反応が続くと、もともと負担を受けていた末梢神経はさらに過敏になります。

腰痛を考えるときは、筋だけでなく、末梢神経の状態と入力まで視野に入れる必要があります。

末梢神経が過敏になると、通常なら問題にならない刺激でも侵害受容信号は増えます。

ストレスは新しい問題を足すだけではありません。すでに存在していた反応性をさらに押し上げます。

▶︎ 末梢神経障害とは何か

長時間の座位は腰部の筋や神経に持続的な伸張ストレスを加える

ストレスが強い時期は、仕事量の増加や気分の落ち込みによって座位の時間が延びます。

座位が長く続くと、腰部では同じ姿勢が固定され、筋や神経に持続的な伸張ストレスが加わります。

体幹の動きが減ると、腰部の負担感や違和感は強まります。

ストレスと長時間の座位が重なると、腰部の神経は休めません。

▶︎ 生活習慣と慢性疼痛

睡眠不足、食事の乱れ、運動不足は回復を止める

ストレスが続くと、睡眠の質と量は落ちます。

睡眠不足は疲労感を増やすだけでなく、炎症調節や感覚や鎮痛処理にも影響します。

食事内容も乱れます。糖質に偏った食事や加工食品の増加は、代謝と炎症の面からみても無視できません。

やる気の低下によって活動量も落ちます。運動不足が続くと、全身状態の回復は遅れ、腰部の不快感も残ります。

結論|警戒を増やすのではなく、減らすことを考える

ストレスによる腰痛は、脳の警戒を起点として、交感神経活動、HPA軸、炎症調節、末梢神経の過敏化、長時間の座位、睡眠不足、食事の乱れ、活動量低下が重なって生じます。

痛みが強まるほどストレスは増し、睡眠、活動量、炎症調節も崩れます。

改善で考えるべきことは、何かを足すことではありません。
警戒状態を減らすことです。

生活習慣でも徒手療法でも、重視すべきなのは刺激を足すことではなく、刺激を減らすことです。

睡眠を削る要因を減らす。座りすぎを減らす。糖質過剰を減らす。ストレス源を減らす。強い刺激を減らす。回復を妨げる条件を減らす。

ストレスによる腰痛では、足し算ではなく引き算です。まず減らす。話はそこからです。

 


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