相対リスクと絶対リスクとは何か|研究結果を大きく見誤らないための基本

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相対リスクだけでみると効果は大きく見えやすい

研究の見出しで「リスクが50%減少した」と書かれていると、とても大きな効果に見えます。

しかし、この表現だけでは、実際にどれくらいの差があったのかは分かりません。

たとえば、ある出来事が2%から1%に下がった場合も、40%から20%に下がった場合も、どちらも相対的には50%減少です。

それでも、実際の差は前者が1%、後者が20%なので、患者様にとっての意味は異なります。

リスクとは出来事が起こる確率を示す

ここでいうリスクとは、ある期間内に出来事が起こる確率、あるいは発生割合のことです。

医療研究では、再発した割合、副作用が起きた割合、治療を中断した割合、改善した割合などを数字で表すときに使われます。

日常語の「危険」という意味よりも、研究では「ある出来事が何%起きたか」を示す言葉として理解した方が分かりやすいです。

相対リスクと絶対リスクは見ているものが違う

絶対リスクは、あるグループで実際に何%の人に出来事が起きたかを、そのまま示す指標です。

たとえば、対照群で再発が4%、介入群で3%なら、それぞれの絶対リスクは4%と3%です。

一方、相対リスクは2つの群の割合を比で示す指標です。

この場合の相対リスクは 3% ÷ 4% = 0.75 で、介入群のリスクは対照群の75%だった、つまり25%低かったと表現できます。

相対リスク減少と絶対リスク減少では受ける印象が変わる

対照群4%、介入群3%であれば、相対リスクは0.75です。

このとき相対リスク減少は 1 - 0.75 = 0.25 なので、25%減少と表現できます。

一方、絶対リスク減少は 4% - 3% = 1% です。

同じデータでも、相対リスク減少25%と絶対リスク減少1%では、受ける印象はかなり変わります。

相対的な表現だけをみると、効果が実際より大きく見えやすくなります。

同じ相対リスクでも臨床的な意味は変わる

同じ相対リスクでも、もともとのリスクが高いか低いかで、絶対差は大きく変わります。

たとえば相対リスクが0.5であっても、元のリスクが40%なら20%の差ですが、元のリスクが2%なら差は1%です。

どちらも「50%減少」と書けますが、実際の利益の大きさはまったく同じではありません。

そのため、相対リスクだけでは治療判断に必要な重みまでは分かりません。

徒手療法の研究でも同じことが起こる

たとえば、ある徒手療法の研究で、4週間後に改善した患者様の割合が対照群20%、介入群30%だったとします。

この場合、絶対差は10%です。

一方で相対リスクとしてみると、30% ÷ 20% = 1.5 なので、「改善率が1.5倍だった」「50%高かった」と表現できます。

この言い方は魅力的に見えますが、実際に起きているのは100人中10人分の差です。

この差をどう評価するかは、時間、費用、通院回数、不快感、他の選択肢との比較まで含めて考える必要があります。

結論

相対リスクは、効果の方向や倍率をつかむには便利です。

しかし、相対リスクだけを前面に出すと、介入の効果は実際より大きく見えやすくなります。

臨床判断に必要なのは、倍率の派手さではなく、実際に何%の差があるのかです。

だから研究を読むときは、相対リスクだけで終わらず、絶対リスク減少まで確認する必要があります。

 


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