固有背側指神経とは|指背側近位を支配する末梢神経
固有背側指神経(proper dorsal digital nerve)は、各指背側近位の皮膚感覚を支配する末梢神経です。
この神経は総背側指神経から分岐し、主に指背側近位の感覚入力を中枢神経へ伝えます。
固有背側指神経の解剖と分布領域
固有背側指神経は各指背側に沿って分布し、主に近位指節から中節付近の背側皮膚感覚を担います。
手の背側感覚をみるうえでは、総背側指神経から続く末梢枝として理解すると位置づけが明確になります。
ただし、指背側はすべて固有背側指神経が支配するわけではありません。
示指と中指の末節背側は正中神経が支配し、環指の末節背側は橈側を正中神経、尺側を尺骨神経が支配します。
小指の末節背側は尺骨神経が支配します。
固有背側指神経に関連する症状|指背の痛み・しびれ・感覚異常
この神経の分布に沿って、次のような症状が生じることがあります。
・痛み
・圧痛
・しびれ
・感覚異常
ただし、症状は単一神経だけで説明できるとは限りません。
指背の症状では、固有背側指神経の分布だけでなく、より近位では橈骨神経浅枝や尺骨神経手背枝、より遠位では正中神経や尺骨神経の掌側指神経系まで含めてみることが重要です。
結論|固有背側指神経と指背側の分布を末梢神経から理解する
指背の違和感は、局所組織だけでなく、末梢神経の状態と入力の変化として捉えることが重要です。
固有背側指神経は総背側指神経から続く末梢枝であり、指背側近位の感覚異常をみるうえで重要な神経です。
一方で、指先側まで一律に支配するわけではなく、末節背側では示指・中指を正中神経、環指橈側を正中神経、環指尺側と小指を尺骨神経が支配します。
指背の症状をみるときは、この分布の切り替わりを踏まえて評価することが重要です。
関連コラム|末梢神経の理解を深める

