ホーキンスインピンジメントサインとは何か|整形外科的テストを吟味する

整形外科的テストDNM
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ホーキンスインピンジメントサインとは何か

ホーキンスインピンジメントサインは、Hawkins と Kennedy が報告した肩の整形外科的テストです。

肩関節90度屈曲位、肘関節90度屈曲位で上肢を保持し、肩関節に他動的な内旋負荷を加えて、肩前外側の痛みが再現されるかをみる検査です。

肩甲骨を過度に代償させないようにしながら、肩前面から外側肩にかけて患者様の普段の痛みが再現されれば陽性とされます。

従来は、肩関節屈曲位で内旋を加えることで肩前上方の組織へ負荷が加わるため、棘上筋腱、肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱などが想定されてきました。

ただし、ホーキンスインピンジメントサインは特定の組織を直接みている検査ではありません。

この検査で言えるのは、肩関節屈曲位と内旋位の組み合わせで症状が再現または変化したということまでです。

腱板、滑液包、上腕二頭筋長頭腱、関節包、肩鎖関節、末梢神経など、複数の要素が症状に関与する可能性があります。

そのため、陽性であっても、それだけで棘上筋腱障害、肩峰下滑液包炎、肩峰下インピンジメント症候群を確定することはできません。

ホーキンスインピンジメントサインの診断精度をどう読むか

この論文では、肩の整形外科的テスト全体について、単独検査だけで診断を決める根拠は十分ではないとされています。

肩峰下インピンジメントに対するホーキンス・ケネディテストは、統合感度79%、統合特異度59%と報告されています。

この数値からは、陰性であれば肩峰下痛症候群の可能性を下げる材料にはなる一方、陽性だけで病態を確定する力は強くないと読めます。

Physical examination tests of the shoulder: a systematic review with meta-analysis of individual tests

Eric J. Hegedus, Adam Goode, Skye Campbell, Amy Morin, Michael Tamaddoni, Claude T. Moorman, Chad Cook

この論文では、ホーキンス・ケネディテストは、ニアーサインやエンプティカンテストと同じ群として、陽性で肩峰下インピンジメント症候群を確定するよりも、陰性で可能性を下げる方向に有用だと報告されています。

エンプティカンテストは、肩関節90度外転、水平屈曲約30度、内旋位で上肢を保持し、検者が上肢を下方へ押す抵抗を加える肩の整形外科的テストです。一般的には、棘上筋腱や腱板機能をみる検査として用いられます。

この3つの検査群について、統合感度は0.69〜0.78、統合特異度は0.57〜0.62と示されています。

そのため、ホーキンス・ケネディテストが陽性だったという事実だけで、肩峰下インピンジメント症候群を断定するのは適切ではありません。

Diagnostic Accuracy of Clinical Tests for Subacromial Impingement Syndrome: A Systematic Review and Meta-Analysis

M. Alqunaee, M. Galvin, C. M. Fahey

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ホーキンスインピンジメントサインを末梢神経の視点から再検討する

ホーキンスインピンジメントサインで再現される肩前外側から上腕近位外側の痛みは、末梢神経の視点からも解釈できます。

候補に入るのは、肩甲上神経、腋窩神経、腋窩神経の感覚枝である外側上腕皮神経です。

肩甲上神経は棘上筋・棘下筋に関わるため、肩後上方の鈍痛、外旋筋力の低下、棘上筋や棘下筋周囲の違和感を伴う場合に検討します。

一方で、肩外側から三角筋部にかけての違和感、しびれ感、接触過敏がある場合は、腋窩神経や外側上腕皮神経の関与も候補になります。

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▶︎肩や上肢の症状からみる末梢神経

結論

ホーキンスインピンジメントサインは、肩関節屈曲位で内旋負荷を加えたときに、肩前面から外側肩にかけての症状が再現されるかをみる負荷テストです。

ただし、陽性であっても、棘上筋腱、肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱のいずれかを単独で確定する検査ではありません。

診断精度研究では、ホーキンス・ケネディテストは陽性で病態を断定するよりも、陰性で肩峰下インピンジメント症候群の可能性を下げる方向に用いる検査として位置づけられます。

そのため臨床では、屈曲内旋で症状が再現されたという所見を、画像所見、症状分布、筋力低下、他の肩テスト、肩甲上神経や腋窩神経などの末梢神経の視点と合わせて解釈する必要があります。

▶︎ 整形外科的テストを吟味するとは何か


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