線維筋痛症の約5割は小径繊維ニューロパチーの可能性

線維筋痛症とは?

主に全身に激しい痛みが起こります。

慢性的な激しい痛み(全身、深部、手足など)、頭痛、知覚過敏、疲労感、睡眠障害、認知機能の低下、アレルギー症状の悪化、かゆみ、こわばり、内分泌異常、レイノー現象による手足の皮膚の変化、うつ症状、筋疲労、寒冷感覚異常、痛覚過敏といった症状も起こります。

さらに、慢性疲労症候群/CFS、むずむず脚症候群、顎関節症、手根管症候群、過敏性腸症候群を併発することもあると言われています。

原因

はっきりしたことは不明とされており、血液検査、MRI、CTでも異常が見られません。

心理的・肉体的ストレス、手術、外傷、ウイルス感染などのきっかけで起こることもあります。

中枢性感作(脳内で痛みに対して過敏になってしまう)の可能性も言われています。

一般的に言われている見分け方

人口の約2%程の方に発症し、中高年の女性に多いとされていますが、実際には男性の方も多いようです。

線維筋痛症の診断には、18箇所の圧痛点のうち、11箇所あると疑いがあると言われています。

しかし、健康な方でも強く押されれば痛いような場所が多いので、診断としては科学的根拠もなく曖昧です。

その繊維筋痛症の内、約半数は「小径線維ニューロパチー」の可能性があるという論文があります。

小径線維ニューロパチーとは?

「Small fiber neuropathy/SFN」

末梢神経の細い有髄線維であるAδ線維と無髄のより細いC線維が障害を受けることによって、疼痛、しびれ、異常感覚、温痛覚異常、自律神経障害の症状が現れる病態です。

とくに痛みを訴える部位での皮膚生検が診断にとって有効とされ、皮膚の細い神経細胞が減少を認めます。

原因は糖尿病などが知られていますが、免疫性の炎症、代謝性疾患と関連している可能性もあると言われています。

線維筋痛症と小径線維多発性ニューロパチー

27人の患者のうち、約半数が小径線維多発性ニューロパチーである可能性があるという論文があります。

SFPN(Small Fiber Polyneuropathy)とは小径線維多発性ニューロパチーのことで、FMSは線維筋痛症症候群のことです。

 

27人の線維筋痛症患者のうち、13人が神経線維密度の著しい減少、異常な自律神経機能検査、またはその両方を示し、SFPNの存在を示した。

SFPNの一般的な原因である糖尿病を示唆する結果は得られませんでした。

線維筋痛症 – 慢性疼痛および他の症状を引き起こす一般的な症候群 – を有する小集団の患者の約半数が、皮膚の神経線維に対する損傷および他の小繊維多発ニューロパチー(SFPN)と呼ばれる疾患の証拠を有することがわかった。

SFPNとFMSには共通の症状があります。一般的に、多病巣性のCWP/慢性広範囲痛症だけでなく、レイノー現象、めまい、胃腸および泌尿器科の症状、疲労、頭痛、そして多くのSFPN患者は診断前にFMSと解釈されていました。

最近のいくつかの抄録は、SFPNとFMSが重複している可能性があることを示唆しています。

SFPNは病因についてかなりの情報を有する確立された疾患であるが、FMSは生物学的エビデンスの事前証拠のない症状の集合体である。

FMSとは異なり、SFPNは客観的に検査され、SFPNの原因のいくつかは確実に治療されるので、FMSを超えてSFPNに患者の「診断」を進めると、潜在的な病因が示唆されます。

現在FMSだとラベルを貼られている患者は、小繊維多発ニューロパチーとその根本的な原因の検査が役立つかどうか、医師と話し合うことを望むかもしれません。

Objective evidence that small-fiber polyneuropathy underlies some illnesses currently labeled as fibromyalgia

 

まとめ

繊維筋痛症でお悩みの方は、人口の約2%と言われていますが、潜在的にはもっと多い可能性があると言われています。

そういった繊維筋痛症と言われている方の中にも、「小径繊維ニューロパチーの方がいる可能性がある」ということがこの研究から考えられます。