タッピングセラピーや触圧覚による皮膚刺激はH反射を抑える。

タッピングセラピーや触圧覚による皮膚刺激はH反射を抑える。

タッピングをすることで筋緊張を緩めたり、トラウマの開放を促したりというアプローチがあります。トラウマに関しては中枢神経による複雑な心理的問題なのでこのコラムでは触れません。

また、触覚・圧覚刺激を次々に場所を移動しながらクライアントに与えていき、皮膚刺激で筋緊張を減らしていくという方法があります。

これらのように、皮膚に短時間の刺激を次々と与えていくとなぜ筋緊張が減るのでしょうか?これらの理論ではそのプロセスの説明が抜けており、魔法のように感じてしまいますが、実は根拠があります。

次の研究では、タッピングによりH反射が抑制されることが分かっています。

H反射とは?

筋肉内にある筋紡錘に刺激を与えると、Ⅰa線維という感覚神経が刺激を受けます。その信号は脊髄に伝わり、介在ニューロンを介して骨格筋の運動神経であるα運動ニューロンに伝わります。

α運動線維から筋に出力が伝わり、筋が収縮します。この筋収縮は筋電図でH波として確認できます。

この一連の反射をH反射といいます。

 

「本研究の目的は、8人の健康な被験者のヒラメ筋運動ニューロンの興奮性レベルに対する、ヒラメ筋とアキレス腱、ならびに2つの他の同側協力筋(ハムストリングス)および拮抗筋(前脛骨筋)のタッピング効果を説明することであった。」

「結果は、タッピング操作中に有意なH反射抑制(平均32%, p < 0.05)を明らかに示した。」

「この抑制反応は回復期(最長5分)の間は持ち越されず、解剖学的にタッピング部位に特異的であるとは思われなかった

Manual muscle tapping decreases soleus H-reflex amplitude in control subjects

結論

この研究から、タッピングにより、H反射が一時的(最長5分)に抑制されることで、一時的に筋緊張が減ります。そして最らしい部位の選択はあまり意味がなく、特異的であるとは考えにくいという結論がでます。