皮膚運動学とDNMの違いと共通点を神経から読み解く

皮膚運動学とDNMの違いと共通点

皮膚運動学とは、文京学院大学の福井勉教授(理学療法士)が提唱している皮膚アプローチ理論です。

テーピングや徒手によって、皮膚を伸展or弛緩させる事で、関節の可動域を増やすというものです。

福井先生は、ダイアンから直接DNM講習を受けたことがあり、ダイアンとも交流があります。皮膚アプローチというまだまだ未開拓な分野を切り開いている素晴らしい先生です。

皮膚運動学とは?

皮膚を滑走(伸張や弛緩)させることで、関節運動の可動域と筋運動の行いやすさが増え、姿勢を整えることも可能だと言われています。

関節運動にともない、皮膚が集まるようになる部位では皮膚は離れて、離れるような部位では皮膚が集まるという皮膚の動きが見られるそうです。

それに対して皮膚を動かすと、確かに可動域は増えます。つまり1番のフォーカスは可動域の改善です。

また、浅筋膜層と筋肉との滑走についても、本には記載されています。

※英語版も出版されています。
「Skin Taping Skin kinesiology and Its Clinical Application」ヒューマンプレス 

DNMとは?

DermoNeuroModulatingはその名の通り、皮神経からの入力によって、中枢で調整が起こるという理論です。

DNMはカナダの女性理学療法士ダイアンが生み出した方法で、皮膚運動学と同じく、理学療法士の先生が開発しました。

ちなみにDNM本第二版では、前書きを福井勉先生に書いて頂いております。

DNMは疼痛軽減にフォーカスしていて、侵害受容がなくなることで、可動域が増えるという考え方です。まずは疼痛をなくそうということです。

実際には、皮膚を伸張(スキンストレッチ)させることで、皮神経とその神経血管の配列を変化させ、絞扼状態を変えます。神経内の血流を増加または排出させることで、神経の神経と呼ばれる侵害受容線維の活性化を軽減させます。

運動錯覚や中枢からの下行性調整による鎮痛効果も見込まれており、スキンストレッチの状態を2〜10分維持するのが特徴です。

皮膚運動学とDNMの違い

皮膚運動学

施術方法:

スキンストレッチもしくはテーピング。

目的:

1.可動域の改善

2.筋運動の促通

3.疼痛の軽減。

DNM

施術方法:

スキンストレッチやバルーンテクニック(他にも深部神経へのアプローチもありますがここでは割愛します。)その状態を2〜10分待つ。

目的:

1.疼痛の軽減

2.疼痛の軽減に伴う可動域の改善。

皮膚運動学を神経から考察

皮膚運動学の本には、このような記載があります。

 

「皮膚の可動性と身体上の位置が改善すると筋緊張が改善する傾向があるようである。これは前述の浅筋膜とその下層部にある筋の間の滑走が改善することが最も大きい要因のように考えられる。」

※引用:皮膚運動学 P152 /三輪書店

 

DNM理論では筋緊張は、侵害受容による逃避反射だと考えています。

スキンストレッチすることで、皮神経の血流が変化し、侵害受容が軽減することで、筋緊張が減ったと考えられます。

つまり、皮膚運動学とDNMには、スキンストレッチによって筋緊張が低下するという実感としての共通点があるということです。

皮膚の滑走が低下する原因としては、やはり皮神経の状態が原因だと思います。

皮神経には感覚神経線維以外にも、自律性の運動出力線維があります。皮膚の血管の平滑筋や、立毛筋、汗腺などをコントロールしています。

皮神経の絞扼や圧迫や緊張などにより、皮膚自体の組織が変化する可能性が考えられます。

皮膚運動学で言うように、皮膚の方向性で可動域が変わる理由の一つに、身体感覚の変化があると思います。

皮膚からの入力は、筋紡錘同様、固有受容性感覚に大きく寄与しています。

ある関節運動に伴い、中枢では皮膚の状態を感覚入力として常にモニタリングしています。

その皮膚を動かすことで、中枢はまだ動けるorもう動けないと感じた結果、可動域が変化しているのだと考えられます。運動錯覚と言ってもいいかもしれません。

つまり、皮膚の組織や、細胞自体の変化もあると思いますが、それにプラスして中枢との感覚入力・運動出力のやりとりが可動域に影響しています。

まとめ

DNMの大切にしている言葉の一つに、「動くことは薬。」というものがあります。

動くことは末梢神経のケアになります。

DNMで疼痛を無くし、皮膚運動学に基づくテーピングにより可動域を増やし、様々な動きや運動を行うことは、クライアントの健康に大きな寄与をすることでしょう。

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