フォームローラーは筋膜リリースではなく皮神経アプローチ

フォームローラーは筋膜リリースではなく皮神経アプローチ

※2019/04/17追記

フォームローラーとは、エクササイズやフィットネス、アスレチックトレーナーやピラティスなどで使う長いクッションのような道具のことです。

この写真の長いグレーのものです。

良く行われる部位は、大腿筋膜、ハムストリング、ふくらはぎ、足底筋膜などがあります。

筋膜リリース

フォームローラーでコロコロすることで、筋膜を伸ばすとよく言われます。しかし、深筋膜などの硬い結合組織には、外からのその程度の力で影響を与えることはできません。

「足底筋膜では、1%の圧迫と1%の剪断力さえも生み出すには、852 kgの垂直荷重と424 kgの接線力が必要であることがわかった。

Three-Dimensional Mathematical Model for Deformation of Human Fasciae in Manual Therapy. 
Hans Chaudhry, PhD,  Robert Schleip, MA,  Zhiming Ji, PhD,  Bruce Bukiet, PhD,  Miriam Maney, MS, Thomas Findley, MD, PhD

 

トリガーポイント

筋膜にあるとされる、押すと痛みが出る部分を押すと拳銃のトリガーのように痛みが放散する現象です。

実際にはトリガーポイントは神経が二次的に敏感になったから起こります。筋膜という結合組織が理由ではありません。

つまりフォームローラーでコロコロすることによる身体への効果は、筋膜ではないということです。

DNIC/痛みで痛みを一時的に消すだけ

また、太ももの外側などは「痛気持ちいい」という反応が多いのも特徴です。
それはDNICという「新しい痛みで元からあった痛みを消す」理論があります。

問題が二つあります。

  1. 脳が余計に警戒する。
  2. 一次的効果であり、その場だけしか続かない。

ですので、気持ちいい範囲で行うにはいいのですが、「痛(いた)」がつくほどはやりすぎで、毛細血管や細い神経などの組織が損傷してしまう恐れもあります。

ではなぜ、フォームローラーでその部位が軽くなるなど効果が出るのでしょうか?

感覚受容器と脳

皮膚には沢山の感覚受容器があります。押された圧力に反応するもの、伸ばされたときに反応するもの、触れた時だけ反応するものなど多彩です。

それらから脳に送られた感覚情報によって、その部位に対する脳の認識が変わったり、自律神経の反応が変化し血流が増えたり、皮膚の神経の血液循環が変化したり、動きながら行えば運動感覚も変化したりします。結果的に、痛みやコリ、重さなどが軽減されます。

痛みのない範囲で行えば、フォームローラーの効果はもちろんあります。それは神経系によるものです。

フォームローラーは皮神経へのアプローチ

大腿筋膜の浅層には、「外側大腿皮神経」があり、その皮神経の血流を変化させているのが、フォームローラーだと考えられます。

上図の左側、大腿筋膜当たりの赤いエリアに外側大腿皮神経は分布しています。

 

 

またハムストリングには「後大腿皮神経」(上図深緑色エリア)、ふくらはぎには「伏在神経・腓腹神経」(ピンク・紫エリア)という皮神経が分布しています。

皮神経が絞扼されたり圧迫されたりすることで、これらのエリアが硬くなったり、痛みが出たりします。

まとめ

これらのことから、フォームローラーの効果は皮神経への影響の可能性が高いということが分かります。

なぜなら結合組織である筋膜はそう簡単のリリースできませんし、その組織を伸ばそうとする事にも意味はありません。

サイエンスから見ると真実が分かってきます。

ですので、フォームローラーでコロコロするにしても、痛みが出るような強い刺激は皮神経を傷つけてしまうので、決してお勧めはしません。

そのせいで筋肉までも逃避反射により緊張してしまいます。

筋膜より浅層の「皮神経」を大切に考えましょう!